子供。
結婚したあとは、子供はまだか?だった。
まさか、「"フツーの家庭"を作りたい訳ではない」と言い合った相棒にまで、子供が欲しいと言われるとは思わなかった。
僕は、"女性"の体でいる事に、納得している訳ではない。
相棒よ、君には話していたはずだろう?
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戸籍も、体も、"女性"だから、
認識している性別も"女性"だと勝手に判断されて、
「子供が欲しい」「子供はまだか?」と言われる。
いい加減にしろ。
"女体持ち"は子供を産む構造を持っているだけだ。
"男体持ち"と同じ人間だ。
"女体持ち"のパートナーの腹に子供を抱えさせて、"女体持ち"のパートナーの体の構造を変えさせて、この世に産み落とすまで命懸けで腹の中の子供を育てさせてるんだけど、"男体持ち"はその作業を経験しないから、種を植え付けたら好き勝手に過ごして良いと、本気で思ってるのか?
そんなに"女体持ち"は軽く見られて良いものか?"男体持ち"と同じ人間なのに?
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僕の片割れは"男体持ち"だけれど、とてもよく勉強をしていて、"女体持ち"への意識がしっかりしていた。
毎月血を垂れ流すのも、子供を腹に抱えるリスクも、色々と勉強していた。
無意識に"消費"されるのは、貶されるのは、蔑ろにされるのは、もう懲り懲りだ。
嫌なものを「嫌だ」と言ったら、どうして拗ねられたり、暴れられたりしなければならないんだ。
どうして"なければ、僕の認識する自分になれる"のに付いてる物に対する嫌悪感を、相棒にも理解してもらいたいと思うのに、その行為が"男体持ちにとってマイナーな行為"だと、相棒の言う「嫌だ」は受け入れられて当然だと思うんだ。
『僕の子宮も卵子も移植してあげるから、相棒の精子を使って、相棒の腹の中で子供を育てたらいいのに』
Xジェンダーで子宮嫌悪の僕に「女性」を押し付けるんだから、それくらい言われても許されるんじゃないか?